映画人生50年 永遠の青春 古川勝巳
映画人生50年・古川勝巳

●発行/昭和62年7月12日
●発行者/古川爲之 古川博三
●編集者/「映画人生50年・永遠の青春・古川勝巳」編集プロジェクトチーム
(広江邦生 荻誠 レイアウト=生川久次)
●印刷所/長苗印刷株式会社
●A4変形版(おおよその寸法)横19.2cm×縦26.4cm・ハードカバー・174頁・非売品
『映画人生50年 永遠の青春 古川勝巳』について
 古川勝巳(ふるかわかつみ)は、日本の独立系映画配給会社であった「日本ヘラルド映画株式会社」の創業経営者です。
 本書は、古川勝巳の没後翌年関係者により出版されました。映画に彩られた古川勝巳の人生を新聞の連載インタヴューや関連記事などを元にふり返るもので、映画業界のみならず多くの人々に愛された彼の人柄を偲ばせると同時に、映画の輸入配給、製作(制作とは別)という、たずさわる者も少なくあまり語られることのない仕事が興味深く描かれています。
 映画が劇場で上映され観客に鑑賞されるまでには、製作、制作、配給、興行の各段階があります。今日、映画の製作、配給(興行)、制作の現場にかかわる人々(脚本家、俳優、監督、その他の職人)また作品自体に関する批評や評論、等々に関する記事、書籍、文献等は数多く出版されています。
 しかし、映画を配給という視点で説明した資料は殆ど見当たりません。本書は古川勝巳という映画人の顕彰という側面とは別に、日本の洋画配給の歴史を物語る貴重な資料でもあります。
 東宝や松竹といった国内大手や外資ハリウッド系列の映画配給会社以外の、いわゆる独立系の映画配給製作会社を、映画が好きという情熱で立ち上げ、欧米、露、東欧の時代を代表する名作を日本に紹介するのみならず、業界が尻込みする黒澤明やF.コッポラ、手塚治虫の大作映画の製作を手掛け配給するに至る古川勝巳の人生を描いた本書は、映画がビジネス採算性よりも、夢とロマンで語れた時代を象徴する一代記となっています。
カバー 本体
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